第165話細部に至るまで彼女を動かす

「もしもし?」

エミリーは電話に出るまで、ほんの少しためらった。相手はジョンソン家の誰かだろうと踏んでいたが、まったくの知らない人物だとは思っていなかった。

「ジョンソンさん、こんにちは。レイナと申します。明日、お時間はありますか?お会いして、少し大事なお話をさせていただきたくて」

「スミスさん、私たちに接点はないはずです。わざわざ話すほど大事なことって、何なんですか?」

エミリーは、レイナの出方にどこか胡散臭さを感じた。だが、こちらの手の内を早々に見せるつもりはない。もし敵だった場合に備え、警戒は解かずにいたほうがいい。

ところがレイナは、拍子抜けするほど落ち着いていた。穏やかな笑...

ログインして続きを読む